12年間、人事採用の仕事をしてきました。
その経験を踏まえて、第二新卒の方々がうまく採用されるにはどうしたらいいのか、面接官側の心理面からアドバイスします。
まず第二新卒は、新卒と比べてフレッシュではなく、また社会人経験5年以上くらいの人間と比べて経験不足であることから、採用側としてはかなり色眼鏡で見ています。
最初から第二新卒を募集している場合を除き、他の応募者よりも一歩抜きん出るためのコツを2点教えます。
1つ目は、前職の良かった点、悪かった点を冷静に分析してから、面接に臨むことです。
面接官は「第二新卒の人はなぜ短期間で会社を辞めたのか」が気になって質問してきます。
その際に面接官が納得できる回答を返せるかが鍵となります。
前職の良かった点、を説明することは、仕事や将来のビジョンにどういった志向を持っているかを説明することに繋がります。
一方で、前職の悪かった点を説明することは、採用企業側の懸念点を払拭することに繋がります。
この悪かった点について補足すると、小さなことを大きく語るのはやめましょう。
すぐに見抜かれます。
例えば、残業が月30時間程度で「遅くまで働かされて」と言っても、大したレベルではありません。
月80時間であれば説得力があります。
納得できる理由は、ワンマン社長である、採用時の約束とは違う部署に説明もなく入れられた等、できれば良かった面と表裏一体、「ここは良かったのに、この悪かった面のせいでその良かった面が十分なものではなくなった」というニュアンスで話すと、面接官は納得します。
2つ目は、志望動機はもっと身近なもので。
「社会貢献」「やり甲斐のある仕事」というキラキラした志望動機が許されるのは、一度も働いたことのない新卒学生だけです。
一度でも社会人経験がある人で、そのような甘いことを言い出したら、その時点で採用する気は無くなります。
では、どういった理由なら良いかというと、もっと身近な理由で、「賃金が良かったから」「資本が安定しているから」等、要は「御社に勤めれば食いっぱぐれがないから応募しました」という本音の意思を示すことが大事です。
自分がどういう人間で、どういったことをやりたいかは、むしろ1つ目の前職を辞めた理由を説明する中で、全部アピールしてしまいましょう。
その上で志望動機については、素直に言うのが大事です。
もちろん本気で企業理念等に惚れこんでいるのなら別ですが、それでも、意外と面接官自身が「うちの会社なんてロクなもんじゃないぞ」と思っていたりします。
その気持ちを隠して、「うちはいい会社だよ!」と仮面を被っていることが多いです。
だから、むしろ応募してきた側が「御社に勤めれば私にとってこんなにいいことがあります」とアピールすれば、面接官の方が「お、そうなのか」と自社の魅力を再発見させられ、気分が良くなることもありえます。
社会人経験が長い応募者であれば、この志望動機の説明は非常に上手に行います。
どれだけ自分にとってメリットがあるから応募したのか…そこを貪欲さを感じさせない範囲でアピールできるのです。
そういった人達と並べて評価されることもありますので、志望動機については新卒採用の時のようなキラキラした理由を言うのはできるだけやめましょう。
他にも色々なテクニックはありますが、まずは上記2点を押さえていれば、採用される確率はかなり上がってきます。
ぜひ試していただければと思います。